腎機能低下・腎機能障害

腎機能の低下を
指摘された方へ

腎機能の低下を指摘された方へ

健康診断の結果に、「クレアチニン」「eGFR」という項目があるのをご存知でしょうか?これらは腎臓の働きを示す重要な指標ですが、馴染みがなく、異常があっても何を意味するのか分からないという方が少なくありません。腎臓は、一度機能が低下すると回復が難しい臓器です。数値の意味を理解して、早めに対策を取ることが将来の健康を左右します。

腎機能の項目から
分かること

腎臓の役割

腎臓は左右に1つずつある臓器で、血液をろ過して老廃物を尿として排出する働きを担っています。また、体内の水分や電解質のバランスを調整して、血圧をコントロールするホルモンや、赤血球の産生を促すホルモンを分泌する役割もあります。

主な検査項目

※表は左右にスクロールして確認することができます。

項目 基準値 説明
クレアチニン(Cr) 男性:1.1 mg/dL以下
女性:0.8 mg/dL以下
筋肉で作られる老廃物。腎機能が低下すると血中濃度が上昇
eGFR 腎臓のろ過能力を数値化したもの。年齢・性別・クレアチニン値から算出
尿素窒素(BUN) 8~20 mg/dL タンパク質の代謝産物。腎機能低下以外でも変動する

※基準値は検査機関によって多少異なる場合があります

eGFRの基準値とCKDステージ

eGFR(推算糸球体ろ過量)は、腎臓が1分間にどれだけの血液をろ過できるかを示す指標です。数値が低いほど腎機能が低下していることを示します。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

eGFR ステージ 腎機能の状態
90以上 G1 正常
60~89 G2 正常または軽度低下
45~59 G3a 軽度~中等度低下
30~44 G3b 中等度~高度低下
15~29 G4 高度低下
15未満 G5 末期腎不全(透析が必要な段階)

※eGFRが60未満の状態が3か月以上続く場合、慢性腎臓病(CKD)と診断されます

腎機能低下の原因

糖尿病の合併

血糖値が高い状態が続くと腎臓の細い血管が傷つき、ろ過機能が徐々に失われていきます(糖尿性病腎症)。これを糖尿病性腎症と言い、人工透析が必要になる原因として特に多い疾患です。

高血圧による負担

高血圧の状態が続くと、腎臓の血管にも負担がかかります。血圧を適切に管理することが、腎臓を守る上で非常に重要です。

その他の原因

慢性糸球体腎炎や多発性嚢胞腎など、腎臓そのものの病気が原因となることもあります。また、生まれつき腎臓の働きが悪かったり、小児期の病気が原因で腎機能が低下していたりすることもあります。

異常を放置すると
どうなる?

慢性腎臓病(CKD)への移行

腎機能は加齢と共に緩やかに低下しますが、糖尿病や高血圧などがあると低下のスピードが速まります。慢性腎臓病は初期の自覚症状に乏しく、むくみや倦怠感、貧血などの症状が現れた時には重症化していることが多いです。

透析治療が必要になる可能性

腎機能が著しく低下すると、体内の老廃物を自力で排出できなくなり、食欲不振や全身倦怠感などの尿毒症の症状が現れます。ある程度以下にまで低下した腎機能を元に戻すのは困難なため、最終的には人工透析や腎移植が必要となります。特に透析治療は週に数回、1回あたり数時間を要しますので、生活に大きな影響を与えかねません。

心臓や血管への影響

腎臓と心臓は密接に関係しており、腎機能が低下すると心血管疾患のリスクも高まります。腎臓を守ることは、心臓を守ることにもつながります。

健康診断で
指摘されたら?

eGFRの数値を確認する

まずは自分のeGFRがどのステージにあるかを把握しましょう。60を下回っている場合は、慢性腎臓病の可能性も考えられます。

クレアチニンが
基準値を超えていたら

クレアチニンの基準値は、男性で1.1mg/dL以下、女性で0.8mg/dL以下程度です。ただし筋肉量によって個人差があるため、クレアチニン単独ではなくeGFRと合わせて評価することが重要です。

過去の健診結果と比較する

腎機能は年単位で緩やかに変化することが多いため、今年だけでなく過去数年分の推移を確認しましょう。急激に数値が悪化している場合は、早めの受診が必要です。

当院での対応

腎臓専門医が直接診察

当院には、腎臓疾患を専門とする医師が在籍しています。健診結果の数値が何を意味するのか、今後どのような対策が必要なのか、専門的な視点から分かりやすくご説明いたします。

血液検査・尿検査で
詳しく評価

クレアチニンやeGFRに加えて、尿蛋白や尿潜血の有無も含めて腎臓の状態を総合的に評価します。必要に応じて腹部エコー検査も実施いたします。

進行を遅らせるための
治療計画

腎機能の低下を完全に止めることは難しくても、進行を遅らせることは可能です。食事療法(塩分・タンパク質の調整)、血圧・血糖の管理、定期的な経過観察など、患者さんの状態に合わせた治療計画をご提案いたします。

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